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終末期におけるコミュニケイションのガイドライン

オーストラリアの連邦政府が6月18日に発表したガイドライン

進行した疾患により終末期にある成人患者、及び、その家族と、予後や終末期の問題について話し合うための臨床ガイドライン

オーストラリアは緩和ケアは進んでいるが、その一方、緩和ケアについて何も知らず、或いはちゃんとした理解がなく終末期の予後や、ケア、そのオプションについて患者、家族と充分なコミュニケイションが取れていない医師も多い。

このガイドラインは、ベストプラクティスとして政府が発表したものだから、これを機に、すべての医療者が一定のスタンダードで、コミュニケイションを取れるようになればいいなと思う。

大まかな内容を紹介したい。大雑把な意訳ですので、詳しく知りたい方は本分を読んでください。

それから紹介しているのはサマリーですので、説明不足気味のところがあります。本文には詳細に記述されているので、興味のある方は是非本文を読んでください。

    __________________________________

進行性の予後の限られた疾患を持つ患者とその家族のケアに当たるヘルスケアプロフェッショナルに取って、予後や終末期の問題に関するコミュニケイションは重要なスキルである。

専門家の意見は様々であり、このような患者、家族と終末期の問題についてどの様に話し合うのが最善であるかの信頼性の高いエビデンスは限られている。

このガイドラインは、そうした問題について話し合う上でのガイドラインである。このガイドラインは、以下の方法で開発された。

システマティック文献レビュー
現存するガイドラインや専門家の文献レビュー
専門家による諮問委員会でのガイドラインのたたき台をもとに作成

話し合いの準備:可能であれば

  • 話し合いを始める前に検査結果を確認しておく
  • 話し合いはプライバシーの保てる場所を選び、中断されないように時間を確保しておく
  • 誰々が話し合いに出るのか話し合っておく

患者、家族への関わり方

  • 信頼関係を築く
  • 話し合いの間中、共感、思いやりを示す

患者、及び家族の希望の明確化

  • 話し合いの目的を明らかにし、患者、家族が何を期待しているのかを明らかにする
  • 患者、家族が現在の病状をどう理解しているのかを聞き、彼らが何をどれだけ詳しく知りたいのかを明らかにする
  • 文化的要素、状況が、情報の求め方に影響を与えるという事を考慮する

情報の提供

  • 個々の患者、家族のニーズにあった情報を提供する
  • 思いやりのある態度で、この先どんな事が予測されるかについて話す用意があることを伝える。同時に、患者がその事について話したくなければ話さなくてもいい事を伝える
  • 患者の理解度、状況、何をどれだけ聞きたがっているのかに応じて、情報を少しずつ、間をおきながら話す
  • 専門用語を使わず、平易で明確な言葉を使って話す
  • 予後に関する情報の確実性には限界があることを説明する
  • 残された時間について、明らかに残り数日というとき以外には、具体的に数字を挙げて話すことを避ける
  • 家族には家族の特別な情報へのニーズがあることを考慮する。そのためには別の話し合いが必要になるかもしれない。患者が意思決定能力があり、了承するならば別の話し合いをもうける。
  • 患者、家族に対する医療チームからの情報がばらばらでないように統一する

気持ち、不安を受け止める

  • 患者、家族の恐れ、不安、感情的反応をさぐり、それを認める
  • 患者、家族の苦痛に対して対応する:適切であれば

現実的な希望をはぐくむ

  • 正直に対する事、しかし、正直があからさま過ぎたり、患者が望む以上の詳細な情報を与えたりしないように
  • 患者に希望を持たせたいばかりに、誤解されるような言い方や、事実に反する情報を与えてはいけない
  • 痛みやその他の症状をコントロールするための治療、リゾース、サポートがあることを保障する。しかし、充分な話し合いもしないまま安請け合いをする事は避ける。
  • 毎日毎日をどう過ごしていくのか、とか、現実的な希望やゴールについて話し合う。

質問を促し、更に話し合う

  • 質問する事を奨励し、わからなかった事はなかったのか聞く。同じ説明を繰り返さなければならない事もある。
  • 話し合った内容が理解できたか、情報は患者、家族が知りたいと思っていた事だったのか確認する
  • 後になって更に話し合いが必要になれば又話し合えることを伝える

記録

  • カルテに話し合った内容のサマリーを記録する
  • 患者のケアに当たっているキーとなる医療者に話すか、或いは書面で話し合いの結果について知らせる。少なくとも患者のかかりつけの一般開業医には知らせる。

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終末期医療問題」カテゴリの記事

コメント

大変勉強になります。
とっても・・・・・・・・。
緩和ケアにかかわらず、全てのことに共通
しそうです。
訳すことができないので、助かります。

>Takakoさん、
コメントありがとうございました。本当に、終末期に限らず、コミュニケイションにおいて応用できることは多いと思います。

投稿: takako | 2007年6月24日 (日) 22時48分

緩和ケアに興味があり、
オーストラリアは日本の数十倍緩和ケアが
進んでいると伺い、検索したところhanaさんのページにたどり着きました。
すごく勉強になりました。ありがとうございます。
また、拝見させて頂きます。

>花子さん、
コメントありがとうございました。これからも頑張って色々な情報を紹介していきたいと思います。

投稿: 花子 | 2007年6月24日 (日) 18時26分

興味深い記事ありがとうございます。ガイドラインはあればあったほうがいいけれども、実際にそれが医療従事者の意識に反映され、さらに行動変容をもたらすまでには更に何段階ものステップが必要ではないか、と感じています。オーストラリアでは緩和ケアに対する意識は比較的高そうですが、それでもまだまだ何でしょうね。

>tanu先生、
おっしゃるとおりですね。少なくともこれから育ってくる医療従事者、教育病院の教育者はこのガイドラインに沿ってやってくれることを期待しています。

投稿: tanu | 2007年6月22日 (金) 12時46分

Hanaさんのブログはオーストラリアの状況がいろいろ見えてきていつも勉強になります!

イギリスも国の緩和ケアとサポーティブケアのガイドラインの中でコミュニュケーションスキルについても大きく取り上げられています
終末期のケアを提供するにあたってコミュニュケーションスキルは欠かせないものだと日々思います

>Hiさん、
イギリスとオーストラリアはとても似ているけれども、微妙に違うところもあって面白いですよね。コミュニケイションスタンダードは同様じゃないかと思います。
本当に今度の冬、しばらくオーストラリアに出稼ぎに来てみてはいかがですか!?


投稿: H i | 2007年6月22日 (金) 06時09分

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